コスタリカ人がアメリカ人より長く生きる秘訣

アメリカのニューヨーカー誌に「コスタリカ人がアメリカ人より長生きする秘訣は何か?」という記事が掲載されました。結論は、前回に紹介したEBAISという地域の保健所と、これに基づいた公衆衛生政策です。ATAPという、プライマリ・ヘルスケア(基礎的保健医療)技師の活躍ぶりについてよく取材してあります。和訳できなくて申し訳ないのですが、よかったら読んでみてください。

コスタリカの医療改革のリーダー、フェルナンド・マリン(2)

パバスのEBAISの院長時代

「これは多くのひとがかかわった、コスタリカの国家としての成果です。アリアス政権のもとでパイロット・プロジェクトがはじまりましたが、ふたつの野党政権のもとでも改革はすすめられました。改革計画の実施にむけて、世界銀行と米州開発銀行の融資がありました。この融資はカルデロン政権が交渉したのですが、世銀との協定は、フィゲレス政権のもとで調印されたのです。」

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コスタリカの医療改革のリーダー、フェルナンド・マリン (1)

改革を考えるうえで、私たちにとっていくつか重要な原則がありました。まず第一には、コスタリカのすべての人びとに平等に、地域に根差した保健医療サービスを提供する、ということでした。いなかに住もうが都市に住もうが、金持ちであろうが貧乏であろうが、同じサービスを受けることができるということです。

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愛と憎悪の物語

3月24日にモデレーターをつとめた、“Historias de amor y odio – las narrativas que dan forma a nuestro presente y futuo”(愛と憎悪の物語―私たちの現在と未来を形どるナラティブ)と題する、オンラインのパネルディスカッション(スペイン語)の録画をご紹介します。


現在、人類はさまざまな危機や不確実性に直面していますが、私たちは自分たちの生活、社会、そして世界に意義を見出すためにどのような物語を綴っているのでしょうか。これらの物語は私たちにだれを愛させ、だれを憎ませているのでしょう。政治的な決断にどのような影響をおよぼし、どのような方向に私たちを導いているのでしょうか。といった課題を話し合いました。


パネリストはコスタリカも含め、アメリカ大陸のいろいろな国々の、さまざまな分野で活躍する人たちです。


Leonardo Garnier:コスタリカ大学経済学部教授。企画大臣、教育大臣など歴任。児童書の著作も行う。

Francisco Goldman:アメリカ合衆国出身のジャーナリスト・小説家。トリニティー大学教授。メキシコシティ―在住。著書にThe Art of Political Murder(政治的暗殺の術)、Say Her Name 〈彼女の名を言って〉など。近作は小説、Monkey Boy (サルの子)。

Nina Pacari:エクアドル、キチュア先住民族の法律家。先住民の権利の活動家で、Instituto Pacari de Ciencias Indígenas, Escuela Itinerante de Derecho Kichwa 教授。憲法裁判所の判事、外務大臣など歴任。

エスカスの花々

去年の3月にコロナ禍のため、外出を控えるようになってから一年以上たちました。この間、山や森が家のちかくにあって、ひんぱんに自然に触れることができるのがすくいになっています。そして、以前よりもいろいろな種類の花に気がつくようになりました。でも名前がわからないものがほとんどです。ご存知のものがあったら、ぜひコメント欄でおしえてください!

新しい物語を模索する経済学者、レオナルド(3)

コスタリカ大学の学生たちと

マルクスは、「人間は複数の決定要因の統合のたまものだ」といいました。物語とはその複数の要因を統合して、意味をあたえるものです。そして、それによってアイデンティティーをきずきます。どうやって倫理にもとづいた新しい物語をつくるか。これがコスタリカにとっても、世界にとってもこれからの大きな課題だと思います。

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新しい物語を模索する経済学者、レオナルド(2)

父方の曾祖母と

「誰と友だちになるか」というのは人生のなかでいちばん重大な決断のうちにはいると思います。経済学には消費者が一人ひとり、それぞれの好みによってものを選ぶものだ、という概念があります。でも人間は、それ以前にどういうグループに所属するか選ぶものです。そしてそのグループが個人の嗜好もさだめていきます。

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危機に生きる民主主義社会:コスタリカのコロナ禍近況

コロナウイルス防止のため、キス、ハグ、握手 をしない挨拶の仕方(コスタリカ保健省の教材)
キス、ハグ、握手 をしない挨拶の仕方(コスタリカ保健省)

民主主義への評価は、0から100のスケールではかると、4月の平均が76だったところが、8月には65、11月には63に下がりました。でも調査を行った研究者たちは、国の危機的な状況、そして政府への支持が劇的に下がっていることをかんがえると、民主主義への支持は高くたもたれていると考えてよい、という見解をしめしています。

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